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今月の節税Q&A

生前贈与

令和3年8月

Q:相続税対策として被相続人が亡くなる前に生前贈与を行うことがよくあると聞きますが、どのような効果があるのでしょうか。

:生前贈与とは、個人が生存中に受贈者に財産を無償で渡すことです。
生前贈与を行うことで相続税の課税対象となる財産が減るため、将来課税される相続税額を減少させる効果があります。ただし、贈与した財産に対しては贈与税が課税されます。
こうしたことから贈与税は相続税の補完税としての性格を持ちます。
贈与税の税率は、相続税よりも高く設定されていますが、贈与税には年間110万円までの非課税枠があるほか、
「相続時精算課税」、「夫婦間の居住用不動産の贈与」、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」、「直系尊属から教育資金及び結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」といった様々な控除や特例があります。

生前贈与を行うほうが有利になるかどうかは、その方の持つ財産の種類や相続人の人数といった状況によって異なります。

例えば、相続財産に土地や株式といった将来価格が変動する財産がある場合には、
評価額が低いうちに贈与をすることで、相続財産の価額を確定させることができます。
そのため、将来相続が発生するまでにその価値が上昇することが見込まれる場合には生前贈与を行うほうが有利であるといえます。

また、相続などにより財産を取得した人が被相続人の死亡の日からさかのぼって3年前の日から死亡の日までの間に贈与を受けた財産は相続財産に加算されますが、若いうちから年間の非課税枠の範囲内や税率の低い金額で少しずつ贈与することで、贈与税を低くしながら相続財産を減らすことができるため生前贈与を行うほうが有利となることが多いです。

詳しくは税理士法人髙木会計までお気軽にお問い合わせください。(稲田)