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今月の節税Q&A

令和6年分からの相続時精算課税の申告について

令和7年2月

Q:令和6年の贈与税の申告時期が近づいてきました。令和5年度の税制改正で相続時精算課税制度が見直されたと聞きました。
相続時精算課税を選択した場合の注意点はありますでしょうか?

 

A:令和6年分からの相続時精算課税制度を選択した場合は下記のとおりです。

 相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫に対して財産を贈与した場合に選択できる贈与税の制度です。将来贈与者が亡くなったときにその相続時精算課税適用財産の贈与時の価額の合計額と相続または遺贈により取得した財産の相続時の価額の合計額をもとに計算した相続税額から既に納付した相続時精算課税適用財産に係る贈与税相当額を控除した金額をもって納付すべき相続税額とする方式です。

 相続時精算課税制度を選択した場合、贈与者から贈与を受ける財産についてはその選択した年分以降すべてのこの制度が適用され「暦年課税」に変更することができません。この制度を選択する場合には、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までの間に「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要があります。

国税庁「令和6年分贈与税の申告のしかた」より

 令和6年分から相続時精算課税に係る基礎控除額(110万円)が追加されました。令和6年1月1日以降に贈与により取得した財産について相続時精算課税を選択する場合において基礎控除額以下の贈与を受けた場合などは贈与税の申告書の提出は必要ありません。その場合は、贈与税の申告書を提出しない旨を記載した相続時精算課税選択届出書を単独で提出することになります。

 

 相続時精算課税制度を一度選択すると暦年課税制度に戻ることができません。相続時精算課税選択届出書を提出する前に相続時精算課税制度と暦年課税制度のどちらを選択するか慎重に判断されることをお勧めします。

 

詳しく税理士法人髙木会計までお問い合わせください。(仲野)

※この記事は令和7年1月時点での情報に基づき記載しています。今後内容が変更となる可能性がございますのでご了承下さい。