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今月の節税Q&A

免税事業者からの課税仕入れに係る経過措置について(インボイス方式)

令和4年7月

Q:令和5年10月1日以後、インボイス方式(適格請求書等保存方式)が開始されるため、免税事業者など適格請求書発行事業者でない者からの課税仕入れについては仕入税額控除ができなくなると聞きました。それは本当なのでしょうか?

A:インボイス方式では、仕入税額控除を受けるには適格請求書等を保存する必要があります。適格請求書発行事業者ではない者(消費者、免税事業者、適格請求書発行事業者の登録を受けていない課税事業者)からの課税仕入れについては、仕入税額控除に必要とされる適格請求書等の交付を受けることができないため、仕入税額控除を行うことはできません(新消法30⑦)。
 ただし、適格請求書発行事業者ではない者からの課税仕入れであっても、一定期間は仕入税額相当額の一定割合を仕入税額控除の対象とみなして控除できる経過措置が設けられています(28年改正法附則52、53)。
 この経過措置には「適用できる期間」があります。適用できる期間により、控除できる仕入税額の割合は異なります。「適用できる期間」と「控除できる仕入税額割合」はつぎのとおりです。

適用できる期間 控除できる仕入税額割合
令和5年10月1日から令和8年9月30日まで 仕入税額相当額の80%
令和8年10月1日から令和11年9月30日まで 仕入税額相当額の50%

 なお、経過措置の適用を受けるためには、つぎの事項が記載された帳簿および請求書等の保存が要件となります。

(帳簿)
① 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
② 課税仕入れを行った年月日
③ 課税仕入れに係る資産又は役務の内容及び経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨※
④ 課税仕入れに係る支払対価の額

(請求書等)
① 書類の作成者の氏名又は名称
② 課税資産の譲渡等を行った年月日
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
④ 税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額
⑤ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称

 

※「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨」の記載については、取引ごとに「80%控除対象」あるいは「免税事業者からの仕入れ」と記載する方法のほか、適用対象となる取引に記号や番号(「※」「☆」)などを付し、かつ、これらの記号や番号などが「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨」を別途表示(たとえば「※は80%控除対象」など)する方法も認められます。

 

詳しくは、税理士法髙木会計までお気軽にお問い合わせください。